応援コラム

「営業は向いてないです…」と社員に言われる前に経営者が考えるコト

 

長く営業の世界にかかわっている中で何度この言葉に出会ったことでしょう…。

 

「私、営業という仕事が向いてないと思うんです…」

 

「うちの営業マンが、自分には向いてないと言って辞めてしまったよ…」

 

向いていないと言って辞めていくのにはいくつか理由があって、単純にそれを理由にどうしてもその会社を辞めたいケースや、営業という仕事の面白さに気づけないまま辛い事ばかりに気持ちが押しつぶされてしまうケースもあるでしょう。時には、早朝から出掛けて行ったり帰りが遅かったり(休日返上で仕事をしたり)している姿を見た家族から、「他に向いている仕事があるんじゃないの?」と言われてしまうこともあります。

 

確かに営業という仕事は「厳しい」とか「辛い」「大変」というイメージが大きく、先日も仲間うちの食事の席でそんな話題が出ましたが、世の中には営業職に就いている人は相当数いるけれど、「この仕事は天職だと思う!」とか、「営業って、なんてやりがいのある仕事なんだ!」と声をあげる人よりも、「営業って大変だよな…」と声をあげる人の数が圧倒的に多いからそういうイメージが植えついちゃってるよね~という結論に。

 

ただ、それを理由に社員が辞めてしまっては経営者としては非常に困るわけで、今日は、「営業が向いていない」と社員に言われる前に考えるべきことについて書いてみました。

 

まず、面接の時に「自分は営業が向いていると思います」とアピールしてくる人の特徴として、「明るい」「社交的」「人とのコミュニケーションが好き」などがあります(あくまでも私の経験上)。ある機関のアンケート調査によると、人は仕事を選ぶ時に、「自分の能力が活かせる仕事」に就こうと考える人が一番多く、次に「自分のやりたいこと」、その次に「やりがいが得られる仕事」と続いているそうです。もちろん年齢や経験によって違いはありますが、大体そんな感じではないかと思います。明るく社交的で人と関わるのが好きだと思うのであれば、この自分が持っているものを活かしてやりがいある仕事に就きたい、営業職に就いてみたいと思っても不思議はありません。

 

しかし、仕事が長く続いて結果を出している営業マンの特徴は?と言えば、決して社交的な人ばかりでなく、どちらかというと人見知りな性格やちょっと変わった性格の人も少なくありません。共通しているところと言えば、行動力があり、自分の考えを持っていて、数字に厳しい…みたいなところではないかと思います。結果として、数多くの経験を積んでたくさんのお客様に恵まれ、人前に出る機会が増えるので「明るく」「社交的で」「コミュニケーション上手」に見えるのであって、そもそも営業に求められる資質と、本人が自覚しているものとがかけ離れていることが多分にあります。採用の時点でそこを見極める必要があります。

 

それからもう一つ。

 

仮に、営業に相応しい資質を持った人間がいても、それが活かしきれない社内の営業体制に問題がある場合があります。

 

営業という仕事の面白さは、自分の頭で考えるところにあります。もちろん入社間もない新人や経験の浅い人には最低限の教育やツールは必要ですし、上司の同行も必要でしょう。しかし、いつまでも他人任せ、上司頼みでは何の達成感もありません。ただ、数字を出すだけのロボットになってしまって、それこそやりがいや自己の成長など何も無い世界です。

 

営業ツール一つとってもそうです。会社から与えられたチラシやパンフレットを持って、決まり切ったトークでワンパターンな営業をしていると、人間ですから当然飽きてきます。見た目が奇麗なツールは格好が良いですが、業者に任せてつくってもらったツールでは本当に伝えるべき大切な情報が入っていなかったり、相手に刺さるキーワードがなかったりして、使っている営業マン自身が今ひとつ腹落ちしていませんしモチベーションも上がりません。手書きのメモ用紙でも伝わるものは伝わります。創意工夫をさせる場面をつくることが大切です。

 

テレアポをする際のトークスクリプトも同様です。会社によっては、「こう言われたらこう返す」的なひな形が準備してあるところもあると思いますが、あくまでも参考程度にとどめておいて、やはり自分なりの言葉に変換していかないと、電話を受けた相手は、「これ、ロボットがしゃべっているのかしら?」と思ってしまいます。下手でも良いので自分の頭で考えさせて自分の言葉で伝えさせる…ことが重要です。先日もある会社のテレアポスクリプトを見せてもらって私が読み上げると、一同「これじゃ取れないよね…(笑)」と。会社がつくったものだから、有名な方のご指導だから、を鵜呑みにしていつまでも続けていると大変なことになります。納品・アフターフォロー・クレーム対応etc‥全てにおいて言えることです。

 

コンプライアンスだ、企業イメージだ、顧客満足だと、会社が社員に求めるレベルが高くなればなるほど、自由を失い、カラーを失い、らしさを失ってしまうのです。自分らしさが活かされない環境で、数字だけを迫られてはたまったものではありません。そりゃ辞めるでしょう。

 

今は人材不足の企業が多く、特に営業現場では「プレイングマネージャー(プレイヤー兼マネージャー)」が果たす役割が重要になってきます。しかし、選手も監督も両方できる貴重な人材ほど仕事を抱え込みやすく、自分が頑張れば何とかなるという自己犠牲的な考えを持つ人も少なくありません。各々の能力を活かした役割分担や目標管理ができる仕組みづくりは不可欠です。どれだけ優秀なマネージャーも、優秀な営業マンも、万能ではありませんものね。

 

ちなみに…。

現在私がお手伝いしている会社の営業部隊はとても自由に活発にやっています。全員、自分の会社が大好きで、商品に自信を持っていて、可能性を信じています。ここに必要なのは、「お互いを信じること」。簡単なようで実はとても難しいことなのかもしれません。

 

皆様の会社では、自分の会社の未来を信じてくれる社員が何人いますか?

自社の商品に絶対の自信を持つ社員が何人いますか?

お互いを信じあえる環境は整っていますか?

 

人が育つには“土壌づくり”が重要なんですよ。

 

 

 

※人が育って売れる仕組みをつくりたいとお考えの経営者の皆様へ

 

318日、19日に開催される「コンサルEXPO 2021(春)オンライン」では、無料相談をお受けいたします。24日(深夜まで)の早期お申込なら参加料が1,000円(定価10,000円)です!ぜひ奮ってご参加ください。

 

https://www.jcpo.jp/consul-expo202103.html

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