最近、自分よりも年下の人と仕事をする機会が増え、特にベトナムの若者のバイタリティーにはいつも刺激を受けて私自身のモチベーションにもつながっています。若い人を見ると、「自分があの年齢の頃はどうだったかな~」「若い頃にもっと色々なことに挑戦しておけば良かったな~」と考えてしまうのは年を取った証拠でしょうかね…。
まあ、それはさておき。
私たちが何か行動をする時には、同時に、「行動することを“決める”」という決断力が必要になります。特に経験がない事や自分が苦手意識を持つものに対してはなかなか決断できないものです。仕事をする上で、この決断力が欠けていることが「損」につながる場面も多くあります。あなたの会社の社員には、ぜひこの決断力を持ってもらい、積極的な行動につなげていっていただきたいと思いますので、今週のコラムはそれについて書いてみました。
■決断力が無いことで損をすることとは?
まず、決断力が無いことでどんな損をしてしまうのか?についてですが、次のようなことが考えられます。①チャンスを逃してしまう、②誤解されてしまう、③後悔につながる、です。
まず1つめの「 チャンスを逃してしまう」についてですが、自分で決断できない(決められない)人は、他人や周囲の意見や価値観に合わせようとすることが多いものです。せっかく目の前にチャンスが来ていても、素早く決断することができずチャンスを逃がしてしまう…ということになりかねません。「チャンスの神様には前髪しかない」という言葉があるように、良い運がめぐってきた時にそれを素早くキャッチできる行動力=決断力はとても重要です。
2つめの「誤解されてしまう」…とは何でしょう。決断できない人というのは、悪意なく「曖昧さや、分からなさ」を人に伝えてしまっています。そもそも、様々なことを決めかねるということは自分の考えや意見がハッキリしていないことが原因だったりします。そのハッキリしない内面は、「言葉に自信が無い」、「他人に任せる」、「何となくごまかす」…という態度に表れてしまうことにつながり、本人は特に悪気はないのに「曖昧な、いい加減な」人と誤解されてしまう可能性があります。
そして、3つめの「後悔につながる」について。これはワリと多くの人が経験をお持ちではないかと思いますが、「あのとき決断しておけば……」という後悔です。人は、決断して失敗することよりも、決断しなかった後悔の方が苦しいと言われていますが、この後悔は、「あのとき私は決めなかった」…と自信を失ってしまう理由にもなります。
■決断できない理由
決断はできた方が良いと頭ではわかっていても、なかなかできない…という人もいます。特によく耳にするのが「自分は決断が早いけど、部下がそうでもないんだよな…」という社長や幹部の方の言葉です。「さっさと決めて行動すれば良いのに、いつまでも考えてばかりでなかなか行動しない…その理由が理解できない」と。
決断できないのにはいくつか理由があるのですが、代表的なものが次の3つです。(ちなみに、私も以前はこの3つ全てが当てはまっていました)汗
- 悪いほうに悪いほうに考えてしまう
例えば、
「飛び込み(営業)して嫌な顔をされたらどうしよう?」とか、
「テレアポをしてガチャンと切られたらどうしよう?」とか、
「提案をして無下に断られたらどうしよう?」…といった具合です。
とにかく、「うまくいかなかったらどうしよう?」という不安ばかりが頭に浮かんでなかなか行動できないこと、非常に多いケースです。
- あれもこれもやろうとする
何か行動を起こそうとしたときに、つい欲張ってしまうタイプです。私もそうでしたが、例えば営業先のリストを作成しようと業種や地域を決める段階で、「でも、せっかくだからこの業種も行った方が良いんじゃないか?」とか、「途中でリストが枯渇するといけないから地域は広めに設定しておこう」といった具合に、色々欲張って結局絞り切れずにどっちつかずになってしまうパターンです。
これは、会社案内やホームページをつくる時にも言えることですが、色々欲張ると何でも屋さんになって、キラリと光る強みが伝わらない…という事態を招いてしまいます。
- 人目を気にし過ぎて失敗を恐れる
そして、決断できない人の特徴3つめは「他人の目を気にしすぎる」です。例えば、「こんなことを言ったら周囲がなんて思うだろうか」とか、「会社を辞めるなんて言ったら友人から何と言われるのだろうか」などと考えすぎてしまって結局何も決められないタイプです。
「皆と同じ」ことを求められる風潮が根強い日本では、周囲と異なることを必要以上におそれる人が多く、目立つ行動をしたくない…と、決断から逃げてしまう傾向がありますが、案外、他人はさほど自分のことを気にしていないものですよね…。
■行動できる部下をつくる方法
そんな、「決断できない部下」を持つ社長や幹部の方に、行動できる部下をつくるためのポイントとして次の3つをお伝えいたします。
- 考えても仕方のないことは考えないように指導する
経験の浅い社員は、不安がいっぱい。特に、なるべく失敗や挫折をさせないような環境で育ってきた若者は経験値が不足しています。一方で、情報だけは豊富に入ってくるので、怖くてなかなか行動ができないものです。仕事のやり方以外に、ものごとの考え方や思考を整理する方法なども伝えて、考えても仕方のないことは考えないよう指導しましょう。
- 力を入れてやるべきことを絞るよう指導する
たくさん勉強したり経験を積み上げたりするなかで、できることが増えてくると、「色々やろうとする」時期がきますが、浅く広い知識や経験も大切ですが、自分の得意分野を持たせ、小さくても確実に成果を出して積み上げることの重要性を指導することは大切です。会社も個人も同じですが、気持ちが分散していると決断力が鈍り、行動=結果につながりません。
- 楽観的な考え方を身に付けさせる
決断できない人の心理として、失敗を恐れる気持ちが強いことが考えられますが、社内でも失敗を強く責められている社員がいたりすると、それを見た他の社員が益々怖くて動けなくなる…というスパイラルを生みます。仮に失敗してもフォローしてもらえる、次に失敗しない対策を一緒に考えてもらえるなど、失敗しても良いと思える環境づくりから始めてみてはいかがでしょうか?
以上、行動できる部下をつくるためには?という内容でお届けしましたが、あなたの会社はいかがですか?新たなことへの挑戦には行動力=決断力が不可欠です。
本日お伝えした3つのポイントについては、YouTubeでもお話していますので、ぜひご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=nygPqbParYU