顧客からとても必要とされている商品(のはず)なのに、なかなか取引の糸口が見つからず、営業マンが手をこまねいている…そんな会社はありませんか?
例えば、どこの会社にもあるパソコンや複合機、また、最近では消毒や衛生に関する用品など、それから、ホームページや営業用のスマホ、あと、火災保険や自動車保険など。ほとんどの会社が必要としていて、どれも定期的な補充や買い替え(更新)が必要なものばかりですが、だからと言って誰が行っても売れるワケではなく、競合が多い分、価格や長年の付き合いなどが優先されて新規開拓が難しいジャンルですよね。
お客様が欲しいと思う「商品」には、必ず購入する理由があり、その理由とは「〇〇になりたい」「□□したい」といった“ニーズ”といわれるものです。より使いやすい機能が備わったスマホが欲しいとか、火災の時だけではなく地震や水害の時も補償してもらえる火災保険に入りたい…といった具合です。
これらは、お客様のニーズがほぼ顕在化した(欲しいものが決まってしまっている)状態なので、どうしても見積り金額の競争になりがちです。そうならないためには、お客様が購入を決定する前に少し遡って(プロセスを上流にのぼってみて)考える必要がありそうです。
本日のコラムは、お客様が欲しがるモノの上流にあるもの…について書いてみました。見積りを比較検討されて困っている会社や、他社との違いが出しにくくて「何か(機会が)あったらお知らせください」的なアプローチから卒業したいと考えている会社の経営者様、ぜひお読みください。
以前、企業向けの火災保険を販売していた頃のこと。飛び込みで歩いていると、ほとんど(肌感覚で9割以上…ほぼ10割!)の会社は火災保険に加入していました。しかし、補償内容が充実します、保険料が安くなります、担当代理店が近くなります、営業マン(私)がこまめに通います!…くらいの提案ではなかなか話を聞いてもらえませんでした。あわよくば見積り提案までできてもなかなか食い込むことができません。そこで考えたのは、お客様が導入を決定するまでの道のりを少し遡ってみようということでした。なぜ今の保険を選んだのか?とか、決め手は何だったのか?…について聞いて歩いたのです。
ちなみに、お客様が導入を決定するまでのプロセスを遡るとこんな感じです。
4.お客様に必要な商品…この場合は、火災保険
↓
3.お客様がやるべき事…万一の災害時に金銭的な補償を準備しておく
(ニーズ)
↓
2.お客様が抱える課題…工場が燃えてしまった時の備えと、燃えないための
対策。
夜間の警備体制や、万一工場が稼働しなくなった時の
利益確保。
↓
1.お客様の現状…生産体制の維持やコストダウンのため、工場は24時間フル
稼働。
さて、企業保険はほとんどの場合、総務や経理が担当しているケースが多く、
「昔からココで入っているから」
とか、
「(建物の融資をしてもらった)銀行さんの紹介で」
といった理由が多かったように思います。
コレといった理由なく加入しているケースも多く、「保険屋さんが社長の知り合いだから」というパターンも意外に多くありました。まずはそういう担当者に向けて徹底的にヒアリングをしてみました。3.のニーズに対するヒアリングです。
補償内容についてきちんと理解できているか、どういう場合に補償されたい?また補償されているのか、万一保険金額が不足した場合に社内資産で補填できるのか?といった基本的なことです。
すると、答えられない担当者が多く、かなりの確率で上席者に聞いてもらえるか、面談の許可をもらえました。場合によっては社長と直々に商談できる機会も少なくなく、ここまで上って来ることができればしめたものです。
2.のお客様が抱える課題については、社長や幹部の方であればおおよそ把握していらっしゃいます。大きな工場になると、把握しきれない程の機会や備品が溢れていますし、それらが漏れなく保険の対象になっているかどうか…なんて、イチ保険担当者では分からないことですが、決算書や固定資産台帳を出せる決裁権をお持ちの方なら話が早い。更に、万一の災害時に減少してしまう売上の補填について…や、未然に防止するための対策に至っては、ほとんど考えていないという経営者も少なくありませんでした。
それらの課題をしっかりと炙り出すためには、現状について的確にヒアリングをすることがとても重要になります。そのことを理解してくれた経営者は、かなりの確率でウチの火災保険に切り替えてくださいましたし、よっぽどの理由が無い限り契約が切れることもありませんでした。
この一連の営業手法を「提案型営業」と言います。お客様が欲しい商品を買いに来るのを待つのではなく、「こんな風にされてはいかがですか?」と提案する形です。
上流からの営業を実現するためには、このヒアリングと提案がしっかりとできることが大切です。また、顧客開拓の際に、この「上流」を常に意識して狙っていくことが重要です。
先程の火災保険の例で言えば、「商品(価格)」にしか意識がなかったものを、もっと上流の意識に引き上げることが大切なのと、アプローチ先としては、より上位の役職者(部長・社長など)に会える方法を考えることが必須です。
皆様の会社では、誰に対してどのような営業活動を行なっていますか?
相手の意識レベルを引き上げるためのヒアリングは的確にできていますか?
より上流の相手にしっかりとした提案型営業ができていますか?
お客様の懐に深く入り込むことで、今まで気づかなかった背景やより重要な課題を見つけることができ、お客様に喜ばれる営業活動が実現できます。
自社が提案する商品が本当に“活きる”場をつくるのは経営者の仕事なんですよ。
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