先週は一週間ベトナムで仕事をしました。今回は、日本からいらっしゃった社長たちが入れ替わりご一緒くださいましたので、ベトナムビジネスに関することだけではなく、それぞれの事業についてや、これまでの経験、今後の夢など様々な会話を楽しむことができました。海外にいるという開放的な雰囲気も手伝って、普段は聞けないお話が飛び出すなど、本当に実り多い一週間でした。
皆さん、多くの経営者を見てきた…というベテラン社長ばかりなので、いつしか話題は「経営者の人柄や考え方」について盛り上がり、成功する経営者と失敗する経営者にはそれぞれ共通することがあるよね…というお話をお聞かせいただきましたので、今回のコラムではそれについて書いてみたいと思います。ぜひ私も参考にして、成功する経営者に近づきたいと思います。
■失敗する経営者、その1
失敗する経営者の特徴としてまず出てきたのは、「利益の追求だけを目的にしている人」でした。「金(かね)、金(かね)星人」のことです。もちろん儲けを出すことは会社にとって大事なことなので、それ自体は悪いことではありませんが、露骨にお金の計算をする人、儲けになることしかやらない人などはうまくいかないよね、とおっしゃっていました。実際に経営者仲間にもそういう方がいて、「話していておもしろくない」のだそうです。また、事業はうまく波に乗るときもあればそうでないときもあるので、利益の追求だけを目的にしていると、うまくいかないときに極端に落ち込むのだとか。まずは自分の夢や志を掲げて、それを実現するために事業を動かしていくのがうまくいく秘訣のようです。確かに、「何のために事業をやっているのか」という内面は、お金の使い方や落ち込んだ時の態度に如実に表れるな~というのはいかにも納得です。
■失敗する経営者、その2
次に出てきたのは、決断力がない経営者です。経営者にとって最も重要な仕事と言えばやはり「決断すること」。他の仕事であれば社員や外部に任せることができますが、最終的な判断は経営者にしかできません。すべての結果に自分が責任を持つ!という覚悟と、いさぎよい決断は経営者にとって必要な資質だと皆さん口を揃えておっしゃっていました。
確かにそれは私も同感で、特に海外ビジネスについては、多くの社長が現地視察をされた時に「ぜひやりたい」と言って帰られるものの、実際に始める方はごく少数。「また来るね」「よろしくね」と言ったきり…という方が大半です。もちろん、何でもかんでも始めれば良いというものではありませんが、経営者として事前にある程度の情報収集をして、その可能性を感じた上で視察に行き、そこで「やろう」と判断したのであれば、何かしらの行動があっても良いのでは?と思うのですが、連絡も何もない…という人も少なくありません。
■失敗する経営者、その3
そして、最後に出てきたのは「仕事を楽しめていない人」でした。仕方なく嫌々働いているのは経営者にとっては決して良くないよね、という意見が多く出ていました。成功している多くの経営者は、自分の好きなことで起業していて、そこに高い志を持っているのだそうです。事業を興して成長させるためには、まずは経営者である自分が仕事に熱中できることが重要で、そのために自分がもともと持っている熱量を最大限に発揮できることが非常に重要だからです。
確かに、事業を成長させている社長を見ると、皆さんとても意欲的でパワーがみなぎっています。いつ寝ているのかな?いつの間に調べたのかな?どこからその発想が生まれたのかな?と、ビックリさせられることの連続で、それだけのエネルギーを持ち続けるには、やはり自分自身が仕事を本心から楽しんでいらっしゃるのだと思います。そのような姿勢は、自ずと周囲に伝わり、アドバイスやサポートをしてくれる人が自然に集まる…という好循環も生み出すようです。
もしも、自分の周囲にアドバイスやサポートをしてくれる人がいない、と感じる時には、もしかするとどこか仕事を楽しめていないのかも。実際に、社長でありながら自社のグチや業界の不満、将来への不安ばかりを口にする方も少なくありません。経営者はいつもワクワク心を弾ませて仕事をしているということはとても大切です。
■成功する経営者とは…?
ここまで聞いて、ふと思い出したのが、5年前にタイのバンコクで聞いた日本人女性社長の言葉です。
成功する経営者は3パターン。
1.自分で何でもできる人。
2.人たらし。
3.事業が一人歩きする。
です。
彼女は、日本から単身バンコクに渡って女性ながらに製造会社の社長として現地社員を雇用して会社を大きくされ、現在は複数の事業を行う経営者として、そして、妻として母として元気に活躍していらっしゃいます。そんな彼女の言葉はとても印象的で今でも鮮明に覚えています。
まずは自分で何でもやってみる、できるまでやるという熱意と行動力、そして人から好かれる愛嬌や尊敬される高い志、また、事業を仕組みで回せる体制づくり。これができれば「成功する経営者」になれるということのようです。言われれば納得ですが、それができれば苦労しないよな~とぼやく自分もいたりして。笑
ともあれ、様々な気づきや学びがあった海外での一週間。日本に持ち帰ってさっそく私も実践したいと思います。次回は9月頃かな?皆様もぜひ、海外へ飛び出して、新たな出会いや気づきの場を持たれてみてはいかがでしょうか。