応援コラム

見えない価値観のズレに気付くためには?

 

「さっきの方…何を言いたいのかよくわかりませんでしたね」

 

先日、経営者が集まる会でテーブルごとに自己紹介をした時のこと。それぞれに自社の商品や特徴、得意分野などについて一言ずつ紹介し終わった後、私のとなりに座っていた社長がコソっと耳元でつぶやきました。色々話しをされたけれど、結局何が言いたいのかわからなかった…のだそうです。確かに、ダラダラと長く話されたけれど、何が特徴で、どこに魅力があるのか?よく分からず印象に残らなかったと私も感じました。

 

このような場面、皆様もご経験がありませんか?もしかしてご自身の会社の社員もこのような自己紹介(自社紹介)をしていないでしょうか?名刺交換なら時間にしてわずか数秒、先ほどのように一人ずつ時間をもらえたとしてもせいぜい1分。そこで何を伝えるか?は非常に重要なことだと分かってはいても、それを磨く努力をしていない人を多く見かけます。

 

特に、同業社の集まりや昔からの仲間が多い会にばかり参加していると、改めて自社の特徴について語る必要も無く、簡潔且つ相手の印象に残る言葉で伝えることも求められないため、そういったスキルはどんどん錆びついてしまいます。

 

仕事柄、様々な経営者から「自社のブランディング=“らしさ”をどうつくるか?」についてご相談を受けますが、その人やその会社の特徴や他との違いは意外と自分では分からないことが多く、お客様の声や第三者からのフィードバックなど、何か自分を映してくれる鏡が無いとなかなか自覚できないものです。会社を立ち上げたばかりの経営者や、若手の後継者など、自分(自社)の良さについてもっと知りたい!と思える時期は、それを映す鏡を必死に求め、比較的素直に聞き入れる心の耳を持っています。結果、すんなりと納得でき、それが自信につながり、結果に結びついて行く様子をたくさん見て来ました。

 

一方で、事業年数を重ね、経営者としての経験を積んだベテランほど段々と他人に聞きにくくなって、終いには根拠の無い自信が邪魔をして他人の言葉に一切耳を傾けなくなってしまいます。すると、先ほどのような自己紹介の場面で、これまでやって来たことや過去の実績を中心とした話しになってしまい、他人が聞いても何の魅力も無い“説明文”になってしまうのです。

 

これは、経営者に限らず営業マンにも同じことが言えます。経験が浅く、実績のない営業マンは、自分自身や会社の魅力、お客様に何を提供したいのか?という熱いメッセージを伝えるしかないため、自己紹介シートを作成したり写真や動画でアピールしたりと必死に工夫するのですが、ベテラン営業マンになればなるほど、自分の実績や既存の仕事の話しが優先してしまい、聞く人の気持ちや、もしかすると顧客のニーズも置き去りにした残念な自己紹介をしてしまっているかもしれません。

 

経営者の皆様。御社の特徴は何ですか?他社との違いはどこですか?顧客を掴んで離さない魅力はどこにありますか?社員もそれを自覚していますか?これらは常に磨いて言語化し、社内で共通の認識を持っている必要があります。「ベテランだから分かっている」と言う根拠の無い自信を捨て、「自分が一番分かっていないかもしれない」という謙虚さを持ち、「自社の良さをもっと磨きたい」という貪欲さを持つことが必要です。競合はその何十倍もの努力を重ねているのですから。

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