「売上回復のために、通販を考えたり新たなサービスを検討したりしています…」
コロナの影響による今年前半の売上の落ち込みをカバーしようと、新たな取り組みを始める企業が増えてきていますね。特に、外出自粛によるダメージが大きかった飲食や観光などのサービス業にとって、第二波への心配と、インバウンドの市場回復も来春以降とする見方が大半を占める中、今すぐ効果を出せるものは何か?と考えるのも無理はないですね。
ただ、ここで大きく影響するのが取り扱う商品やサービスの特性です。すぐに通信販売の対応が可能な商品や、自社で考えたサービスが通用する類の業種であれば良いのですが、例えば元請がいてそこから仕事を受注しているような製造や建設の業界ではなかなか難しいのではないでしょうか。
実は、弊社の顧問先にはこのような製造業や建設業が多くいらっしゃるので、普段は自社で商品開発をしたりそれに値づけをしたりする機会が非常に少ないこともあって、今後の売上回復のための手の打ちようは冒頭の経営者とは考え方が大きく違ってきます。
そこで今回は、自社商品を持たない業種の収益改善方法について考えてみましょう。
■自社の特性を知り、今後の対策を考える
まず、自社の事業体質そのものを知る必要があります。事業体質は大きく3つに分かれます。1つめは自社商品を開発・製造・販売できる、いわば価格決定権を持つ会社。2つめは発注元からの注文通りにものをつくる・工事をする下請型の会社。そして3つめはメーカーがつくった商品やサービスを販売して手数料をもらう代理店型の会社です。
1つめの価格決定権を持つ会社は、商品価値の創造と値付けをする権利を自社で持っていますので、例えば通信販売に対応する商品や新たなサービスの開発にも直ぐにとりかかることができますが、2つめの下請型の会社は、製造する数量や完成時期・価格は発注元に決定権がありますのでそう簡単にはいきません。3つめの代理店型の会社は、商品の開発・製造は自社で行ないませんが、独自のサービスを考えて付加することは可能ですので、そこで他社と差別化することはできるでしょう。
コロナの影響で消えてしまった需要そのものを取り戻すことは難しいですが、それぞれの事業体質に応じた対策を考えることはとても重要です。
■下請型体質の会社が考えるべき次の一手
下請型の事業の特徴として、数量(納期)と価格の決定権を発注元が持っている点が一番にあげられると思います。どれだけの技術や能力を持っている会社でも、今以上の受注ができなければ売上を拡大することが難しいという側面を持っているために、今回のコロナのように需要が消えてしまった時に大きなダメージを受けてしまいます。日頃から、得意先を分散して常に新規開拓を心がけておくことは必要ですが、今、この時期の新規開拓はなかなか難しいかもしれません。
そこで、今すぐに実現可能な方法を整理してみましょう。
(1)お客様訪問と情報収集
(2)コスト削減
(3)提案力の向上
(1)お客様訪問と情報収集について
急激な経営環境の変化で、資金繰りに走る経営者や、慌てて新規事業に飛びつく会社も少なくないですが、まずは既存の重要取引先を訪問したりウェブを使ったミーティングの機会を持ったりして発注元の状況や今後の見通しなどの情報を得ることから始めましょう。同時に、同業他社の情報を集めることもお忘れなく。
(2)コスト削減
現場だけに限らず、本社や営業部隊全体を見渡して徹底的にムダを省きましょう。特に、今回の騒動をきっかけに『オンライン化』『テレワーク導入』を進める会社も増えてきています。これまで時間と経費を掛けるのが当たり前だった会議や出張もオンライン化することでグッと出費を抑えることができます。社員からアイディアを出してもらうと良いですね。
(3)提案力の向上
今まで、発注元の注文通りの仕事を心がけていた会社も、今後は更に一歩踏み込んだ提案をすることで、既存の取引を維持することにつながります。例えば、取引先を訪問した際に、これまではただ注文を受けて帰るだけだったかもしれませんが、今後は、しっかりとヒアリングをして、相手の問題点を整理し、課題解決のための提案ができる力を磨くことで、相手から必要な会社として生き残ることができるのです。
■顧客は何を見ているのか?顧客目線で考える
下請型の会社にとってのお客様とは発注元になりますが、彼等は貴方の会社の何を見ているでしょうか?出来上がってきた製品そのもの(品質)でしょうか?あるいは価格交渉に応じてくれたことでしょうか?それとも納期を守ってくれたことでしょうか?もちろんそれらは評価される上で大事な要素ではありますがそれが全てではないと私は思います。
一つ一つの部品を大切につくってくれる貴社の従業員の姿勢や品格、電話対応や急ぎの仕事の時にも常に笑顔を忘れないおもてなしの気持ち、そして、ただ注文されたものをつくるだけの受け身な態度ではなく、問題点を聞き出してより良い製品・より良い方法を提案できる課題解決力などを見てくれているはずです。これらは非常に見えにくいけれど、私たち人間が五感で感じることができる重要な評価ポイントです。ついつい製品そのものや価格・実績などのハード部分に注目してしまいがちですが、組織文化や提案力などのソフト部分にスポットを当てて、ここの向上に着手してみてはいかがでしょうか?
少し値段は高くても選んでもらえる、何度も、いつまでも注文してもらえる、そんな会社に成長させることこそが、この未曾有の危機から脱出して強くて永い事業の発展につながるのです。そしてそれが実現できると、社員もイキイキワクワク輝いてきますよ。
ソフト面の向上はちょっと難しいとお感じの経営者の皆様、私がお手伝いしますのでいつでもお声がけください。
最後まで読んでくださり有難うございました。
あなたの一日が素晴らしいものでありますように。
■追記
メルマガ特典の無料相談は、現在ご好評につき1日2件までしかお請けできません。お早目のご予約を。
あなたとお話できる日を楽しみにしています。
▼お申込みはコチラから▼
<関連のおすすめコラムはこちら↓↓↓>
https://www.hc-bm.com/column/6092.html
<貴社の魅力を確実に伝える事業発展ストーリーBOOK>
<ベトナム人材の採用&活用でブランドづくり!>