「業績のV字回復に向けてどんどん攻めの営業をするように!と上から言われているんですが、攻めろと言われてもこのご時世ですし、どこまでやったら良いものか…」
先日、ある営業マネージャーの方とお話しした時に出て来た会話です。感染拡大防止の観点から様々な“マイルール”が設けられ、会社によっては、新規の飛び込み訪問を禁止していたり、訪問前にお客様に了解がもらえたところにしか行ってはいけないと言われたりと、配慮しながらの営業に苦労しているところも多いようです。
一方で、冒頭の会社のように“イケイケ”のところもあるようですね。正直、どちらが良いとか悪いとかという問題ではなく、最終的には「お互いがぜひ会いたいと思えるかどうか?」というシンプルな判断になると思います。私自身、コロナ禍にあっても100人以上の方とリアルに名刺交換をして新しい出会いはどんどん広がっていますが、全て「お互いに会いたい」と思えたからこその結果だと感謝しています。
今の特別な状況下に限らず、営業活動は正に日頃の会社の在り方そのものが問われ、経営者の考え方や顧客の感じ方がそのまま表れる場なのです。普段から、どうしたら信頼される会社になるだろう?と必死に考え努力していれば変わらず信頼してもらえる確率は高いでしょうし、付け焼き刃的にコロナ対策だけを考える会社は本当の意味での信頼を得ることは難しいでしょう。(ただ、正直、コロナに対する考え方や感じ方は人によって様々で意見が対立しやすいのも現実ですが)
そういった営業活動をよりスムーズにするためにも、弊社では、小さな地方企業にこそブランディングが必要だとお伝えしています。それは、お店の外観やロゴマークなどのハード面でのブランディングではなく、会社や商品にまつわるストーリーや社員の接客(営業)態度・組織文化などソフト面を磨き上げることで生まれるブランドです。規模が小さい、名前が売れていない会社だからこそ、「自分たちらしさ」を打ち出していくことが今後益々大事になってくるからです。そして、同時に、その実現にはリスクマネジメントの実践も非常に重要であると考えています。
まず、ブランディングですが、これは「顧客がどう思うか」というイメージをつくることです。自分たちはここがすごいんです!これができます!他社よりも優れているんです!…「だから信頼できる会社なんです!」という自分からのアピールではなく、顧客の方が「あなたの会社は信頼できる会社なんですね」と思ってくれていること。
一方のリスクマネジメントとは、「組織に影響を与える不確実な部分を管理する」と言われますが、要は悪い結果が出る前にその種となり得るものを発見し、しっかりと分析して対策を立て、実行するという考え方です。
この2つのバランスが大事で、今回のコロナ騒動は、ブランディングとリスクマネジメントがきちんとできている会社であったかどうかがはっきり分かるきっかけになったと思っています。
今回のイケイケ営業会社さんにお話しを戻すと、まずは、お客様から面談の承諾がいただけることが第一歩です。その会社がお客様から信頼できる会社だと評価してもらえるかどうかと考えた場合、そもそもお客様は何を見て評価するでしょうか?新規営業の場合、お客様はこちらと面識がなく、もちろん関心も持っていません。電話でアポイントを取っている最中にホームページを見てくれる人もほぼいないでしょう。そうなると、唯一評価してもらえるのは「社員の態度」です。
どのような接し方で何を言ってくるのか?
自社について、自分について、どんな風に紹介してくるのか?
お客様のことをどれだけ真剣に大切に考えていて、何ができる会社なのか?
そういったことがわずか数分の電話や一通のメールで伝わってしまうのです。社員がどのような態度で電話をかけ、アポイントを取ろうとしているか?そのやり取りに表れているはずです。実際にどうしているのかお聞きすると、経験のある社員ほど自分流のトークで“押し気味に”アポを迫り、なかなか獲得に至らないケースが多いようです。ノルマのせいもあるでしょうが、これまでの経験や販売実績に自信を持っているからこそ、それが少々押しつけになってしまうのでしょう。本来の営業の目的である「顧客の課題解決」からそれてしまって、商品を売ることが目的になってしまっているようです。これではお客様に敬遠されてしまって当然です。
私が、「経営者の想い」と「社員の教育」を重要だと考える理由はここにあります。その会社(経営者)が何を大切にしている会社かは第一声の“名乗り”で伝わります。また、社長がどんな想いで経営をしているかが社員に共有されることで、その使命感のようなものが伝わるものです。反対に、それが無ければただの“モノ売り”だと思われてしまうでしょう。
そしてもう一つはリスクマネジメント。“営業”という視点で考える時、もちろん社内のルールも大事ですが、まずは相手の状況を把握することが入口です。
新規の訪問客に対してどのような考え方なのか?
社内の基準を明確に設けているのか?
面談可能な手段について(オンラインなら可能か?直接訪問が可能か?)
といった基本的なことがきちんと聞けているでしょうか。
強引なアポイントは営業マンの印象を悪くするだけにとどまらず、会社全体のイメージダウンにつながり、せっかく築き上げたブランドを失うことにもなりかねないのです。
「アポイントを取る」というほんの限られたやり取りの中で、自社のことをしっかりと伝え、相手のことをきちんと聴く。これがブランディングとリスクマネジメントの基本です。決して難しいことではなく、けれど、とても重要なことです。
営業活動の原点は「良い出会いづくり」です。
この人に会ってみたい、会って話を聞いてみたい、そう思える出会いの場をつくれるかどうかにかかっています。
貴社の社員は新規開拓に悩んでいませんか?
うまくいかないことを外的な要因のせいにしていませんか?
営業活動が難しい今だからこそ社内を見直してみませんか?
お客様に選ばれる魅力も、お客様が遠ざかっていく問題も、
全ては社内にあるのです。
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