「一年前までは営業で全国を飛び回っていましたが、昨年の6月から新規のアプローチはすべて電話とオンラインに切り替えたので、出張がパッタリなくなりました。」
先日、久しぶりにお会いした大手教育関連会社の営業マネージャー。北は北海道から南は九州・沖縄まで飛び回っていた方ですが、今はほとんど事務所か自宅で仕事をしているそうです。法人営業と言えば、テレアポや飛び込み営業からの対面での商談がスタンダードでしたが、この一年で随分と現場の様子も変わってきているようです。
私もバリバリの営業マン時代は新規開拓の入口と言えば、まずは「テレアポ」と「飛び込み」でした。後に、DM送付やメール営業・セミナー営業なども行うようになりましたが、知識も経験も無い新米は頭じゃなくて体を動かせ!なんて言われたものです。
しかし、昨今のご時世でアポ無しの飛び込み営業はほぼ100%拒否される(断られやすくなった)ので、全面的にテレアポにシフトする会社もあるようですね。冒頭の会社も、1人1日100~200件のテレアポをするそうです。(驚?!)かなり高額な商材を販売している会社なので、この100~200件のコールで1件商談アポを取って(もちろんオンライン商談)月に1~2件成約につなげるのだそうです。数百から千万単位の商材をオンラインだけで毎月コンスタントに販売できる営業体制も凄いですが、毎日100件~200件のテレアポができる営業マンもなかなかたいしたものですよね。
まあそれはさておき、思うような営業活動ができない中でもしっかりと成果を上げていかなければならないのが営業の役割…。そこで今回は、法人営業で新規開拓をする上で大切なことをお伝えしたいと思います。
ポイントは大きく3つ。
①まずは自社商品に絶対の自信を持つ!
営業を成功させたいと思った時に必須なのが自社商品(サービス)に対して自信を持つことです。商品が良い!ということはもちろんですが、それを提案する営業マンが絶対の自信を持っていることも同じくらいに重要です。なぜなら、自社商品に自信を持たないまま営業に行った場合、お客様から「意外と高いんだね…」とか「他社と比較してから検討するよ…」などと言われた途端にすぐに諦めてしまうからです。
最近は、お客様に過剰な期待を持たせたり誤解を招いたりすることを恐れ、マニュアル通りの説明や無難な商談をこなす営業社員も増えているようですが、自社が提供できるメリットについてしっかりと理解し、自信を持って提案できるようになる必要があります。自社商品に自信を持っていると、当然、「何としてでもこれをお客様に届けよう!」というモチベーションにもつながります。
冒頭ご紹介した会社では、社員の教育がとてもしっかりしていて、入社間もない若い社員でも、堂々と提案をしています。それは、電話やオンライン越しにも伝わってきて、そばで見ている私も、「どこからこんな自信が湧いてくるのだろう?」と不思議に思うほどでした。それだけ「私はお客様の役に立てるんだ」と確信している様子でした。
②お客様の困り事を本気で理解する
お客様のニーズを聞き出しましょう…という言葉は皆様もよく耳にされるでしょうし、実際に営業マンに聞いてみると「ちゃんとやってるよ」という答えが返ってきますが、本当にお客様のことを理解できているでしょうか? 自社商品や自分に自信がある人ほど、つい自分の話ばかりしてしまいがちで、肝心なお客様の話に耳を傾けていないケースがあるものです。先ほどの「自信を持つ」こととのバランスが難しいところですが、商売は相手があって成り立つものですから、お客様のこと(現状・問題点・解決方法等)について一緒に考えてお客様目線でしっかりと提案できるよう、まずは理解することから始めなければなりません。
お客様の理解は、必ずしも「対面」で「ヒアリング」によるものだけとは限りません。以前、建設業のお客様に保険を提案していた頃は、実際の作業現場をいくつも見に行きましたし、製造会社ならば工場見学や展示会を、またサービス業なら実際の店舗に出向いて自分なりに感じ取って帰ってきたものです。そういう理解の方法もあります。とかく、効率とか時短とか言われる世の中ですが、足を運んだからこそわかることはたくさんあるし、それだからこそできる提案があるのです。実際に自分の目で見て理解した上での提案は、言葉が現実味を持ちます。場数を踏んだベテランになれば行かずともある程度は理解できるようになりますが、そうでない人はやはり現場を見るのが一番の近道なのです。
③決めたことをきちんと行う(PDCAの徹底)
法人新規営業に限ったことではありませんが、仕事をうまく回してきちんと結果を出すためには、やはり決めたことをきちんと行うという「基本」を徹底することが最も重要です。これは、どのクライアントにも毎回お伝えしていることで、「そんなことわかってる」と100%言われることでもあります。しかし、現実はなかなか難しい…。
月に一度の訪問や二週間に一度のオンラインミーティングの際に聞いてみると、
「…あ、ちょっと忙しくてできてないです」
「えっと、次回までには必ず…」
といった返事がかえってくることもごくたまにあります。
確かに、日常業務をこなしながら、既存顧客のフォローもしながらの新規開拓となると、当然負荷がかかってきます。誰しも一日は24時間、残業や休日出勤まではできないし…となれば本当に限られた時間に詰め込んでいかなければなりません。これを、今まで通りのやり方の上にちょっとプラスになれば良いかな、みたいな中途半端な気持ちで取り組んでも正直結果は見えています。
新規顧客の開拓や、ましてや新商品を新しい市場に…となると相当なパワーが必要となります。社内のトップセールスマンが総出で取り組んでも、当初は何の成果も見込めないかもしれません。しかし、やると決めたらとことんやって、良いも悪いも結果を出して行かなければ振り返りもできませんし前に進むこともできません。
まずは経営者や幹部の皆様が率先垂範!お手本を見せて行きたいものです。
社員もお客様も、そんな貴方の姿勢をしっかり見ているのですから。
皆様の会社では、新規顧客の開拓は進んでいますか?
社員が自信を持って営業活動を行なっていますか?
顧客のニーズはしっかりと把握できていますか?
オンラインもオフラインも関係なく、共通する大切なポイントをおさえた営業体制は整っていますか?
既存顧客が減る一方で、経営者が今やらなければならないことは、何をおいても新しい市場の創造であり、そこからの顧客開拓なのです。
※新規開拓が進む仕組みをつくりたいとお考えの経営者の皆様へ
3月18日、19日に開催される「コンサルEXPO 2021(春)オンライン」では、無料相談をお受けしています。7日(深夜まで)は早期割引価格でご参加いただけます!ぜひ奮ってご参加ください。