先日、経営者のための経営課題解決型メディア・THE OWNERに弊社の事業発展ストーリーBOOKを取り上げて記事にして頂きました。
https://www.hc-bm.com/topics/6594.html
このテーマを取り上げてくださった方、また取材してカタチにしてくださった方、そもそも、ここに繋いでくださったご縁結びの神様(人間ですが)等々、本当に多くの人のご縁に助けられてるな〜と感謝しています。この場を借りて皆様に御礼を申し上げたいと思います。誠にありがとうございました。
このストーリーBOOKを本格的につくり出したのは今から2年ほど前。営業強化のご支援をする中で、営業マンがどうしても「モノ売り」発想から抜けきれず「安くしたら売れるかも?」の呪縛が解けない人が多いと感じましたし、仮に値段を下げたとしても、また、商品にどれだけの価値があったとしても、世の中、上には上がいるもので、どこまでいっても体力勝負の消耗戦から抜け出せない状況が続いてしまうので、価格や機能以外の部分で訴えられる何か別の価値が見いだせないかと考えたからです。
今、世の中には面白いサービスや安くて使い勝手の良い商品が溢れ、昨日までウチにしかないオンリーワンだと思っていたものが直ぐに追い越される時代です。ましてや、働き方が大きく変わったことによって生活も大きく様変わりし、お客様のニーズも大きく変化しています。その中にあって、これまでのやり方(数多く・低価格で・万人向けの提案)から、自社の商品・サービスを本当に必要としてくれる人や自社の考え方に共感してくれる顧客・取引先を早急に見つけることは我々中小企業が生き残っていくために最も重要な施策であると考えています。
本日のコラムは、そんな重要施策に必要な“ストーリー”について書いてみました。
一昨年まで、公の仕事で中小・小規模企業の経営相談(営業とブランディングの分野を担当)をお受けするコーディネーターを務めていたことがあります。相談回数は4年間で400回ほど、繰り返し来訪される方もいらっしゃいますので、ご相談者の数は300人前後だったと思いますが、一定期間に業種も規模も問わずこれだけの経営者にお会いすることができたのは大変良い経験だったと思っています。そんな相談業務を行う中でまず初めにお聞きしていたのは、仕事の内容やウリの商品・特徴・差別点・対象顧客についてなど。それから営業体制やツールについてお聞きして、その結果(売上・顧客数・利益率等)がどうなのか?を一緒に検証していき、解決策を見出していくような流れでした。
思うように営業数字が伸びないのにはいくつか原因がありますが、主だったものとしては、
(1)
・商品やサービスの特徴がうまく伝わる形になっていない
・顧客のニーズを把握できていない
・競合他社について十分なリサーチができていない
などがありました。
他にも…
(2)
・商品に自信を持っていない
・商品の特徴を顧客のメリットに変換できていない
といったケースも多く見受けられました。
また、
(3)
・全体的な営業量が極端に少ない(提案・発信をしていない)
・商品(サービス)に改善の必要がある
などもありました。
(1)は、商品(サービス)が持つ特徴が整理されていない・言語化できていない状態で、解決できる顧客の課題にマッチしていない(競合との違いを明確に打ち出せていない)状態なので、そのシステムエラーを整えることで結果は大きく違ってきますし、(3)はそもそも「営業」が機能していない・商品に魅力がない状態なので、そこの改善が先決です。
そして、社内でも意外と置き去りにされがちなのが(2)です。
・商品に自信を持っていない
・商品の特徴を顧客のメリットに変換できていない
この2つは他の課題と重なり合って見えにくい問題点だからです。
■「商品に自信を持っていない」とは…?
商品の特徴は話せるのに商品に自信をもっていない営業マン。
実は、以前お手伝いをしていた会社でも正にこの状態が起きていました。以前の職場では長く営業を経験し、トークもばっちりだという転職間もない営業社員がいましたが、なかなか結果が伴わない。何故か?と聞いてみると、商品の提案が一方的で顧客との関係性が構築できていない様子でした。
その会社が提供していた商品は決して安くないもので、導入まで検討の時間がかかる長期的な営業戦略が必要でしたが、最初はお試しで使ってはみてくれるものの本契約につながらない…よくあるケースです。法人営業、しかも高額な商品の提案の場合は即決が難しく、いかに信頼関係を築いていけるかが重要になります。ここで目先の営業トークだけに頼っていては成果につながらず、モチベーションも下がってしまって自分への自信や商品そのものに自信を持てなくなってしまうケースがよくあります。
この時に一役買ってくれるのが「ストーリー」なのです。自分の会社の成り立ちや、この商品が生まれたきっかけ、顧客への想いなどをセットで伝えることで相手に与える印象も大きく違ってきますし、心の距離がグンと近づきます。特に表面には見えない開発の苦労や周囲の協力者の存在など、正に付加価値の部分を伝えることは商品そのものの価値を高めてくれる効果が期待できます。
■「商品の特徴を顧客のメリットに変換できていない」…とは?
商品の機能性・他社との差別点などをアピールすればするほどお客様は引いていきます。プッシュ型の営業スタイルは、以前のようにどんどんモノが売れていた時代は良かったでしょうが、今は通用しません。その商品の特徴がいかに自分にとってメリットがあるか(自分の生活がどう変化するのか)がイメージできないと購買行動にまで至らないからです。
例えば…目の前にバッグを探しているお客様がいたとします。
店員Aさんは、
「このバッグはとても軽量、〇〇素材を使用しているのでとても丈夫ですよ。」
と接客。
店員Bさんは、
「荷物が多くても肩への負担が軽く、パソコンや分厚いカタログを入れても型崩れが気になりません。雨に濡れても軽くふくだけでOKですよ。」
と接客したとします。
皆様はどちらの接客がお好みですか?
そりゃBでしょ…と思われた方も多いでしょうが、現場では意外とAのような(自社商品の性能ばかりをアピールしてしまっている)営業をしているところが多いものです。これを購入することによって、今より体がラクになるかも?見た目の格好良さもキープできるかも?忙しい自分でも簡単にお手入れできそう!…といった使用しているシーンが相手の頭の中に描けることが重要です。そこにも「ストーリー」が活きてくるのです。
ストーリーが大切だということはわかっていても、社内でそれをきちんと言語化できていないところは意外に多いと感じています。
皆様の会社はどうでしょうか?
社員が自信を持って伝えられるストーリーはありますか?
顧客が共感してくれるストーリーは伝えられていますか?
大切な社員に「単なるモノ売り営業」をさせないための手を打ってありますか?
事業の、太く・強く・永い成長発展にはストーリーが不可欠なのです!
※事業発展ストーリーをつくりたいとお考えの経営者の皆様へ
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