応援コラム

センスある営業と、センスの無い営業

 

この連休中は、昨年からのテーマだったホームページのリニューアルにようやく取り掛かることができました。こういう仕事は少しまとまった時間があって、且つ、静かに落ち着いた気持ちで向かいたいので、この連休はちょうど良いタイミングでした。

 

その中で、これまで17年間やって来た「営業」という仕事を様々な角度から振り返ったり形づくったりしたのですが、そもそも営業という仕事はかなりセンスがいる仕事だな~と改めて思いましたので、今日はそんなテーマでお届けしたいと思います。連休最終日を迎えた方(まだまだお休みが続く方も)のんびりお読みいただけますと幸いです。

 

さて、私が保険営業の世界に入ったのが今から17年前。初めは個人向けの生損保乗り合い代理店でスタートし、その後、大手生命保険会社に転職、更に法人向けの外資系損保代理店に転職…と2度の転職を経て法人営業という仕事にめぐり合うことができました。入社後まずは2カ月間の研修を受けました。2週間トレーニングセンターで研修し、次の2週間は現場に出て飛び込み訪問。これを2カ月繰り返しながら卒業までに見込みをつくるという超実践的な研修です。後半2週間の飛び込み訪問では、着座面談アポや証券回収の目標が設定され、一緒に研修を受けている仲間と競い合うというものでした。(この辺りの詳しい内容は、ぜひこちらのコラムをお読みください)

 

その時の同期は8人、全て男性、しかも20代~30代のパワーが有り余っている人たちばかりです。かたや私は?と言えば40を超えた子持ちのおばちゃん、不利な材料は多かったのですが、毎回競争に勝ち残り上位に入ることができました。各々の状況は逐一メールで送られて来ていましたので、離れていてもライバルの様子は手に取るようにわかります。この時の結果は、「できる人は毎回できるし、できない人は毎回できない」…という感じでした。

 

現場で証券回収の数を競っていた時は、私も結果を出すことに必死でしたので他人のことを冷静に分析する余裕はありませんでしたが、今思えば、初めの段階でその人の営業のセンスってわかっちゃうよね、というそんなお話です。

 

証券回収をする時にまず考えることは、

 

・飛び込む先をどこにしようか?(地域とか、業種とか、規模とか)

・その飛び込んだ先で、どう切り込んで行こうか?

 

2つです。ここで必要なのは“アタリ”をつける力です。

例えば…

規模の大きな会社を狙うのであれば、「いきなり社長には会えないが、大きな保険に加入している可能性が大きいかも。でも、その分ライバルも多いだろうし、きっと受付で断られるよな~」とか。反対に、規模の小さな会社を目指して行くのであれば、「社長に会える確率は高いかもしれないけど、加入している保険が少額(そこまで経費を出せない)かも?とか、補償内容の良し悪しよりも昔からの付き合いを大事にするかもな~」といった想像はある程度つくと思いますので、その上でどう責めて行こうか?というイメージを持っていないと厳しいのです。

 

これは、事業所に限らずスーパーや飲食店なども同じで、実店舗にいきなり出向いても保険の担当者がいるはずないよね…という感覚がなければ、レジを打っている人に唐突に会社の保険の話をしてしまう、なんていう信じがたいことを真顔でやってしまうのです。

 

研修を終えて現場に配属された私は、他代理店の営業マンや自社の営業マンもライバルとなったワケですが、ここでも「できる人」と「できない人」の差は歴然でした。できる、できないの差は、“アタリ”をつける力があるかどうかだと思います。

 

この、“アタリ”をつける…ですが、ある程度の経験を積んでくると誰にでもできるようになると思われがちですが、実はそうでもありません。

 

そもそも、現場の状況を想像するためには、人の動きが理解できている必要があります。そこにはどんな人が何をしていて、何のためにそこにいるのか?といった具合に。そのためには、日頃から自分以外の人やものをよく観察し、興味を持ち、「なぜだろう?」という疑問を持つことがとても重要なポイントになります。これから行く初めての現場で、いくつかのシーンを想定するためには、何通りかのパターンを描くことができなければいけないからです。

 

これは、決して「頭が良い」とか「資格をたくさん持っている」とか「良い大学を出た」というような話ではなく、直感のようなものを持ち合わせているかどうか?だと思います。AならばB、CならばD…という仮説を立てる力は、知識とかスキルとかではなくセンスだからです。

 

これまで数多くの営業マンを見てきましたが、このセンスを持った人間はかなり限られた数しかいないのが現実です。多くの人は、専門知識やコミュニケーションといったスキルを身につけることはできても、直感的なものはすぐには身につかないからです。

 

ただ、現実として、資格やスキルさえあればモノが売れた時代はとうに終わり、その「モノ」の意味とか価値といったものを伝えられる人・会社だけが生き残れる厳しい時代がきたのです。今後益々進む日本の少子高齢化の中で、この“センス”を持ち合わせたデキる人材を採用することやそんな人材に育てることは非常に厳しくなり、優れた人材は働き易い環境を選び、取り合いになるでしょう。現状、そのような人材に恵まれていない会社は、今いる社員とこのまま向き合って生きていくのか、それとも本気で会社を変えてデキる人材を取りにいくかの二択です。今、採用の現場も大きく変わってきている…ということで、新しい時代の採用サービスを開発した会社の営業のお手伝いもさせていただいていますが、本当に様変わりしています。

 

今後、会社の成長を真剣に考えるのであれば、営業人材は入社してからの教育よりも、入社前にしっかりと見定める必要がありそうですね。そのためには人を見る目を持った採用担当者と、良い人材が集まってくる魅力ある会社づくり…結局はそこに返ってくるわけですが。

 

貴社の魅力づくりのお手伝いや営業人材の採用・教育に関するご相談はぜひこちらからどうぞ。

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