「炎上やクレームが心配で、SNSで発信するのが怖くなりました…」
スマホ1台あれば誰でも気軽に投稿でき、一度にたくさんのユーザーに発信できるメリットなどから、多くの企業が公式SNSアカウントを運用していますが、一方で、許可なく顔写真を掲載したり誤った情報を発信したりすることでクレームにつながる可能性も高く、経営者もそのリスクについてしっかりと認識しておく必要があります。特にコロナ後の営業活動は「リアル」から「デジタル」へのシフトが進み、今後SNSの活用や広告に注力しようと考えている企業は非常に多くなってきています。一度の投稿が会社の信頼やブランドを傷つけることになりかねませんので、注意を払う必要があります。
これは、対面での接客や営業も同じです。日頃のちょっとした不満やそのもとになっている不安や不信感が積もり積もって大きなクレームにつながることもあります。withコロナ時代の新習慣「ソーシャルディスタンス」も、私達とお客様の間に微妙な距離を生んでいます。この物理的な距離が心の距離につながらないよう、新たな取り組みや改善が求められる時代になりました。
そこで今回は、不満やクレームなど表面に出ている一部分から、その根源になっている問題点について考えてみましょう。
■不満やクレームにつながる顧客心理を理解する
突然ですが、通信販売で物を購入されたことがある方は多いと思います。大手ショッピングサイト以外にも、最近は自社サイトで通信販売を始める企業も増えていますので、日本国内に限らず、世界中から好きなものを好きな時に購入することができます。とても便利な時代になりましたね。ただ、その通販サイトもページのレイアウトや内容によって成果は大きく違ってくることは皆様もご承知の通りです。見にくい・分かりづらいサイトは敬遠され、購入までのプロセスが長い・入力項目が多いと途中で離脱されてしまう確率が高くなってしまいます。
そして、自分が欲しいものについて、正しい情報や実際に購入した人の声が知りたいと思うし、発売元が信頼できる会社かどうかも気になるところです。もちろん返品や交換・支払方法についても明確な記載が必要です。そう言った「欲しい情報」が入手できないと感じた途端にページは閉じられてしまい、残念ながらこちらが思う結果(購入や資料請求・問合せなど)にはつながりません。
それはリアルな接客、営業においても同じです。
説明が分かりにくい、商品の特徴が伝わらない、購入手続きが面倒、会社や社員が信頼できそうにない…と思われてしまうと、いかに良い商品・サービスであっても選んでもらえないし、ましてや対応のマズさはクレームにつながりかねないのです。
■黙って消える「サイレントカスタマー」
ある飲食店でのできごと。看板メニューであるハンバーグを食べたお客様が、「いつもと味が違う」と言ってきたそうです。店員は「そんなはずは無い」とはね返してしまったそうですが、普段使っている肉が手に入らず、今回に限り別の業者から仕入れた肉で作っていたことが後で分かったそうです。そのお客様はもう二度とお店に来なくなってしまった…と、よくある話だと思われた方も多いでしょう。
しかし、ここで考えておくべきことは、「いつもと違う」と声に出したお客様の数倍・数十倍の数のお客様は黙って食べて帰って行ったということです。心の中で「あれ?いつもと違うな?」と思った人もいるでしょうし、仲間同士であれば、「ちょっと違うよね」とコソコソ話し合ったかもしれません。もしかすると一口だけ食べて帰ってしまった人もいたかもしれません。
そこが特別な想い入れのあるお店ならいざ知らず、近いからとか、何となくお店の雰囲気が気に入っていたという程度で来てくれていたお客様は自然と来なくなってしまうでしょう。商品やサービスは常に顧客目線で考えるべきであるし、その目線でしか分からない満足や不満足の判断基準があることを理解しておかなければなりません。
自分の店の看板メニューをうたうからには、見た目だけでごまかさずに一定の品質を保つ必要がありますし、それを社内で徹底させるためには「なぜそこにこだわるのか?」という理由が共有されている必要があります。
「いつもと違う」というそのひと言は、貴方の店の基本的な姿勢を問う重大な発言であると受け止めなければならないのです。
■社員の能力も会社の価値も見えているのはほんの一部分
お客様は、当然貴社の全てを理解しているわけではありません。不満やクレームがあった場合にも、勘違いや思い違い、価値観の違いからくるものもあるので、しっかりと説明をして納得してもらうことが理想です。
これは、見方を変えると貴社の魅力や社員の能力も全て伝わっているわけではないと言えるでしょう。100年続く会社も、今見えている姿は100年間の歩みの「結果」です。入社後30年のベテラン社員も、今の姿は30年間の試行錯誤の「結果」なのです。何度とない失敗や努力の繰り返し、一人一人のひと手間ひと手間が集結して形になったものが現在の会社であり、商品なのです。お客様にその価値を伝えるためには、歩みの過程や経営者の想い、未来に向けたビジョンを言語化し、伝える努力は不可欠です。見えない価値にブランド力を持たせる…これこそが、お客様の不満やクレームを生まないための強い基礎づくりの第一歩なのです。
想いやビジョンを言葉にすることは非常に難しく感じられる方も多いですが、私がお手伝いしますのでいつでもお声がけください。
最後まで読んでくださり有難うございました。
あなたの一日が素晴らしいものでありますように。
■追記
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